近年の電動工具及びバッテリーの高性能化に伴い、ウィンチ本体を損傷する事例が発生しておりますので、ご使用になる場合はご注意願います。
パワーツールをご使用になる場合はお使いになるドリル等の性能諸元をよくご確認ください。電動工具メーカーの提示するトルク値がHARKENウィンチの許容トルク値より低い場合であっても、動荷重での作業ではこれを超える力が掛かる場合があります。この点を熟知し、余裕を持った負荷でのご使用をお願い致します。
また、HARKEN JAPANではパワーツールご使用におけるトルクオーバーと判断されるウィンチの損傷、事故については一切の責任を負いかねます。
修理につきましても、目視では確認できない部品損傷や摩耗が発生している可能性があるため、ギア等個別のパーツ供給はお断りしておりますので、ウィンチ本体ごとの交換となります。
併せて、内部の注油箇所についてもパワーツールをご使用の場合は取り扱い説明書に記載のサイクルよりも早くなります。潤滑油切れが発生しないように日頃の点検整備を実施してください。
HARKEN 40.2STA ウィンチにおける荷重計算
計算根拠数値はHARKEN USA本社提示値による
40.2STAウィンチを使用する上でHARKEN USA が提示した値は以下の通りである
10インチハンドル使用時の荷重は55kgf 以内
上記数値をもとに理論上の巻き上げ荷重を計算する
1(N.m) =0.1(kgf.m)
10inch=0.25m
とする
ウィンチハンドルソケットの許容モーメント力(トルク)MS
ウィンチドラムの許容モーメント力(トルク) MD
MS=F×L×sinθ
=55kgf ×0.25×1
=13.75(kgf.m)
= 137.5(N.m)
MDspeed1 (power ratio 13.5)
MDspeed1=MS×13.5
=185(kgf.m)
MDspeed2 (power ratio 39.9)
MDspeed2=MS×39.9
=548(kgf.m)
以上の計算より、静荷重かつ各摩擦を考慮せず、ロープの角度を理想値とした場合のウィンチドラムの許容トルクは
Speed1 185(kgf.m)
Speed2 548(kgf.m)
ウィンチハンドルソケット部許容トルクは
13.75(kgf.m)
137.5 (N.m)
である。
現場使用においては、動荷重及び摩擦抵抗が頻繁に掛かることが推察されます。
電動工具のトルク値が同等又はそれ以下であっても、動荷重巻き上げ条件下において、ウィンチ本体の許容トルクを超える可能性があります。HARKEN社からもこれを超えた場合はギアが損傷すると明確な回答を得ております。
speed1とspeed2の許容荷重が大きく異なる点、特にspeed1においてはトルクオーバーが発生しやすいことに注意が必要です。
また、電動ドリルの特性上、高速の巻き上げが行われるので、静荷重の計算からは乖離した荷重がかかる可能性を考慮して、ご使用ください。
上記内容をご考慮の上、電動ドリル及びドリルアダプターはご使用下さいませ。
ハーケンジャパン株式会社